日本蒸奇博覧会2026の歩き方|行く前に読んでおきたい喫茶蒸談まとめ


喫茶蒸談へようこそ
今年も日本蒸奇博覧会の季節がやってきた。2026年は10月31日と11月1日、会場は目黒のSTUDIO EASE。テーマは「旅」だ。せっかくなら、少しだけ予習してから出かけたい。何を着ていくか、会場で何を見るか、スチームパンクのどこを楽しめばいいか。喫茶蒸談でこれまで話してきたことの中に、博覧会をもっと楽しむためのヒントがたくさん埋まっている。旅支度のつもりで、鞄に詰めていく記事を一緒に選んでいこう。
■この対談に登場するふたり

MaRy(マリィ): 日本スチームパンク協会 代表理事。感覚派で、スチームパンクの"ワクワクするところ"を見つけ出すのが得意。気になったことはどんどん質問するスタイルで、対談の聞き手としても案内役としても活躍中。

ツダイサオ:日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える"解説役"として登場することが多い。
今年も博覧会の季節がきた


いよいよだね、日本蒸奇博覧会2026。

10月31日の土曜と、11月1日の日曜。会場は今年も目黒のSTUDIO EASE。

しかも初日はハロウィン。

そうなんだよね。で、今年のテーマは「旅」。

「鞄に夢と歯車を詰め込んで」。いいでしょ、これ。

いいと思う。それで今日は、喫茶蒸談のほうでも旅支度をしようと思ってて。

旅支度?

これまで喫茶蒸談で、服の話も、機械の話も、お酒の話も、ずいぶんしてきたでしょ。その中に、博覧会に行く前に読んでおくと楽しくなる回がけっこうあるんだよ。それを、鞄に詰める荷物みたいに選んでいこうかなって。

いいね、それ。毎年この時期にやろうよ。

うん、毎年の恒例にしよう。
日本蒸奇博覧会2026は、2026年10月31日(土)と11月1日(日)に東京・目黒のSTUDIO EASEで開催される。今年のテーマは「旅」。
まずは服装:何を着ていけばいい?


やっぱり一番聞かれるのは、「何を着ていけばいいの?」だよね。

毎年聞かれるね(笑)。答えはいつも同じで、普段着で大丈夫。

本当に大丈夫だからね。普段着で来てる人もたくさんいるし。

去年、このテーマだけで一回まるごと話した回があるから、まずはそれを読んでほしい。

仮想コーデの回もよかったよね。男性編と女性編で、実際にどう組み合わせるかを考えたやつ。

あれは「コスプレじゃない普段着」がテーマだったから、博覧会に一番合ってると思う。それと、10月末の目黒はもう肌寒いでしょ。

夜は冷えるよね。初日は20時までやってるし。

だから「冬がいちばん始めやすい」の回も役に立つと思う。コートやベスト、手袋みたいな重ね着の季節は、スチームパンクのシルエットが一番作りやすいんだよ。

ペストマスクの人も毎年いるよね

いるいる。あれがなぜ定番になったのかも、喫茶蒸談の初期に話してるよ
博覧会は普段着で参加できる。スチームパンクの要素を取り入れたい場合は、手持ちの服にゴーグルや帽子、革小物などを一点足すだけで十分。10月末の夜は冷えるため、重ね着で雰囲気を作るのもおすすめ。 鞄に詰める記事|服装
何を着ていくか迷ったら、まずは去年の服装の回から。もう一歩取り入れたくなったら、組み合わせ方や小物の回もどうぞ。
▶ まず読むなら:蒸奇博覧会の服装どうする?普段着で楽しむコツ
▶ 組み合わせの実例(男性):仮想コーデで考える、コスプレじゃない普段着スチームパンクの始め方「男性編」
▶ 組み合わせの実例(女性):仮想コーデで考える、コスプレじゃない普段着スチームパンクの始め方「女性編」
▶ 肌寒い夜の重ね着:スチームパンクファッションは冬がいちばん始めやすい。
▶ 小物を一点足すなら:なぜスチームパンクはゴーグルを愛するのか?歴史から紐解くその魅力と選び方
▶ 小物を一点足すなら:帽子をかぶるという物語
▶ 会場でよく見かける、あのマスク:なぜペストマスクがスチームパンクの定番なのか?
会場の見どころと、読んでおくと楽しくなる回

じゃあ次は、会場で何を見るか。

まずはファッションショー。両日とも15時から、飛行機雲市場の教会前に赤い絨毯を敷いてやる。

ショーは、とにかく近くで見てほしいな。赤い絨毯の上を、みんなが一人ずつ歩いてくるの

おすすめの楽しみ方は、「この人好き!」を一人見つけることかな。

わかる。推しを見つける感じ。

そう。全員を細かく見ようとしなくていいんだよ。パッと見て「かっこいい」「あの帽子いいな」って思った人に拍手をする。それだけで十分楽しい。

みんな、この日のために衣装を準備してきてるからね。拍手や歓声があると、歩いてる側もすごく嬉しいんだよ。

ショーのあとに会場で見かけたら、「さっきの、素敵でした」って声をかけてみるのもいいと思う。

それ、絶対喜ばれるやつ。

ちなみに、遠くから見ても「この人は飛行船乗りっぽい」「この人は学者っぽい」って、なんとなく分かるのが不思議なところでね。その理由を前に話した回があるから、気になった人は読んでみて。

今年も写真館あるよね。

プロのカメラマンに撮ってもらえる写真館。事前予約制だから、気になる人は早めにね。撮る前に、ヴィクトリア朝のロンドンの写真や動画を見た回を読んでおくと、どんな表情やポーズで写ればいいか、ちょっとイメージが湧くと思う。

それから、今年の目玉の特別出展。

ウイスキーのザ・ディーコンの特設バーエリアだね。試飲もできるし、「THE DEACON Crew」っていう5組のアーティストが、DJやライブペイントで盛り上げてくれる。


このクルーが、なかなかすごい顔ぶれなんだよね。

まずDJデュオのヤバテッド。ミスターヤバタンと、イベントプロデューサーのセオドール・ミラーの二人組。ミスターヤバタンは、日本の暮らしを外国人の目線で紹介する動画で知られていて、SNSの総フォロワーは350万人を超えてるクリエイターだね。

あのヤバタンさん! 動画見たことある人、多いと思う。

それから、DJでありフレグランスのクリエイティブディレクターでもあるsi ouxさん。東京コレクションのランウェイで自分の作った曲が使われたり、モデルとしてショーを歩いたりしてきた人なんだ。

赤い髪の人だよね。ファッションショーの側にいた人が、蒸奇博に来てくれるのは嬉しいな。

そう。ほかに、20か国以上で巨大なキャンバスに漫画をライブで描いてきたSHINN UCHIDAさん。モンゴルで5年以上修行して、足で弓を射る「フットアーチェリー」を日本人で初めて成功させたコントーショニストのERI SHIBATAさん。それから、女優で歌手のSumireさん。

すみれさん! バラエティ番組でよく見てたよ。ハワイ育ちの、からっと明るい雰囲気が印象に残ってる。

ハワイと東京にルーツを持っていて、最近はアメリカでも女優として活動してるんだよね。マーベルのドラマにも出てる。Instagramのフォロワーも60万人近くいるんだよ。

ジャンルがばらばらなのがいいよね。音楽、漫画、身体表現、お芝居。

そう。ほかに、20か国以上で巨大なキャンバスに漫画をライブで描いてきたSHINN UCHIDAさん。モンゴルで5年以上修行して、足で弓を射る「フットアーチェリー」を日本人で初めて成功させたコントーショニストのERI SHIBATAさん。それから、女優で歌手のSumireさん。

すみれさん! バラエティ番組でよく見てたよ。ハワイ育ちの、からっと明るい雰囲気が印象に残ってる。

ハワイと東京にルーツを持っていて、最近はアメリカでも女優として活動してるんだよね。マーベルのドラマにも出てる。Instagramのフォロワーも60万人近くいるんだよ。

ジャンルがばらばらなのがいいよね。音楽、漫画、身体表現、お芝居。

しかもザ・ディーコンは、今回の博覧会に協賛もしてくれてるんだ。

ほんとにありがたいことだよ。

都内のバー5店舗でも、クルーのメンバーとコラボしたカクテルが飲めるらしいから、博覧会の前後に寄ってみるのもいいかもしれない。

ザ・ディーコンって、銅色のボトルにペスト医師の、あのウイスキーだよね。

うん。ボトルのデザインから名前の由来まで、ついこの間まるごと話したばかりだから、飲む前に読んでおくと一杯目の味が変わると思うよ。

お酒好きの人は、ジンやアブサンの回もぜひ。

SHINN UCHIDAさんのライブドローイングも楽しみだね。目の前で絵が描かれていくのを見られる機会は、なかなかないから。

漫画といえば、博覧会のメインビジュアルを描いてくれてる黒イ森さんのことは、この前の漫画ガイドの回で紹介したよね。

うん。スチームパンク漫画を10作まとめた回だから、ライブドローイングの前後に読むと、漫画のほうにも興味が広がると思う。
会場では両日15時からファッションショー、事前予約制の写真館、ウイスキー「ザ・ディーコン」の特設バーエリアなどが予定されている。特設バーでは試飲ができ、DJデュオのヤバテッド(ミスターヤバタンとセオドール・ミラー)、DJのsi oux、マンガライブドローイングのSHINN UCHIDA、コントーショニストのERI SHIBATA、女優・歌手のSumireの5組からなる「THE DEACON Crew」がパフォーマンスを行う。ザ・ディーコンは今回の博覧会に協賛している。
鞄に詰める記事|会場の見どころ
ファッションショーや写真館、特設バーをもっと楽しむための回です。
▶ 遠くから見ても「誰っぽいか」分かる理由:服の話をする前に、輪郭を見てほしい。「シルエット」だけでキャラクターはここまで伝わる
▶ 写真館で撮る前に:写真と動画でのぞく、ヴィクトリア朝ロンドンの日常
▶ 特設バーで飲む前に:ザ・ディーコンの味とボトルの秘密|スチームパンク好きが惹かれる、銅色のスコッチウイスキー
▶ お酒の話をもっと:キュウリを入れるジン? ヘンドリックスのちょっと変わった世界
▶ お酒の話をもっと:緑の妖精と呼ばれた酒「アブサンとスチームパンクの深い縁」
▶ ライブドローイングの前後に:スチームパンク漫画のおすすめ10作|TRPG発の1992年から、2020年代の新作まで
出展者の作品を、もう一歩楽しむために

蒸奇博の一番の楽しみは、やっぱり出展者さんの作品だよね。

うん。ただ、初めて来た人は「全部歯車がついてて、どれも同じに見える」ってなることもあると思うんだ。

あるかも。

そういうときに読んでほしいのが、歯車問題の回。「歯車は飾りでいいのか、動かなきゃダメなのか」っていう、スチームパンク好きなら一度は考える話。

あれ、作る人にも見る人にも刺さる回だったよね。

それから、日テレの大時計からスチームパンクデザインを分解した回と、「歯車を貼るのが楽しい」の先を考えた回。この二つを読んでおくと、作品を見るときに「この人はどこにこだわってるんだろう」っていう目線が持てるようになる。

見る目が変わると、出展者さんとの会話も弾むよね。

そうなんだよ。蒸奇博は買い物の場所でもあるけど、作り手と話せる場所でもあるからね。「この部分、どうやって作ったんですか」って聞くと、だいたいみんな嬉しそうに教えてくれる。
出展者の作品をより深く楽しむには、スチームパンクデザインの見方を少し知っておくと良い。歯車の扱いや、機能が見えるデザイン、細部へのこだわりに目を向けると、作り手との会話も広がる。
鞄に詰める記事|作品の見方
出展者さんの作品を「どこにこだわっているんだろう」という目で見られるようになる回です。
▶ 歯車は飾りでいい?:スチームパンクの歯車問題「かざり?動かなくちゃダメ?」
▶ デザインを分解して見る:今日から始めるスチームパンクデザイン。日テレ大時計は「最高の教科書」
▶ 作り手のこだわりを知る:「歯車を貼るのが楽しい!」その先へ。もっと作品に愛着がわく、スチームパンクデザインのコツ
「旅」の予習に

今年のテーマが「旅」だから、旅にちなんだ回も紹介したいな。

それなら飛行船の回だね。飛行機は空港から空港へ往復する乗り物だけど、飛行船は「船」だから、地図の外へ出ていく乗り物なんだ、っていう話をした。

観光と探検の違い、ってやつ。

そう。蒸奇博も、どっちかというと探検のつもりで来てもらうと楽しいと思う。何があるか分からない通りを歩いて、気になる店に寄り道する。

万博の回もいいよね。蒸奇博も「博覧会」だし。

1851年のロンドン万博から話を始めた回だね。そもそも「博覧会」っていうのは、技術や不思議なものを一か所に集めて見せる場所だった。日本蒸奇博覧会は、名前からしてその系譜にあるんだよ。

そう考えると、蒸奇博に行くこと自体がちょっとスチームパンクだ。

桑原太矩さんの『空挺ドラゴンズ』。2016年にgood!アフタヌーンで始まった作品。飛行船に乗って龍を捕まえて、解体して、食べる人たちの話。

食べちゃうんだ(笑)。

(笑)そういうこと。
2026年のテーマ「旅」に合わせて、地図の外へ出ていく乗り物としての飛行船や、1851年のロンドン万博から続く「博覧会」の系譜を知っておくと、会場を歩く楽しさが増す。
鞄に詰める記事|テーマ「旅」の予習
今年のテーマ「旅」と「博覧会」そのものに関わる回です。
▶ 地図の外へ出ていく乗り物の話:飛行船とスチームパンク|最初の一隻は蒸気機関で飛んだ
▶ 「博覧会」という形式のはじまり:万博とスチームパンク|水晶宮とエッフェル塔が生んだ「進歩を見せる」という発明
そもそもスチームパンクって?という人へ

友だちに誘われて、スチームパンクが何かよく分からないまま来る人もいるよね。

いると思う。それで全然かまわないんだけど、気になる人には「40秒でおさらい」の回がおすすめ。本当にすぐ読める。

もう少しちゃんと知りたい人は?

「スチームパンクとは」のページだね。定義から楽しみ方まで、一通りまとめてある。

でも、知らなくても楽しめるのが蒸奇博のいいところだと思う

うん。予習はしてもしなくてもいい。会場で「これ何だろう」って思ったものを、帰ってから調べるのも楽しいからね。
鞄に詰める記事|スチームパンク入門
スチームパンクが何かよく分からないまま来る人へ。
▶ すぐ読める:スチームパンクを40秒でおさらいしよう
▶ しっかり知りたい人へ:スチームパンクとは?その定義から楽しみ方まで
来年は、出す側に

最後に、来年は出展してみたいっていう人へ。

「イベントに出店してみよう」の三部作だね。まずイベントに行ってみる、作ってみる、実際に出てみる、の三段階で話してる。

1回目のタイトルが「まずはイベントへ行ってみるところから」なんだよね。

そう。つまり、今年蒸奇博に来ること自体が、出展への第一歩なんだよ。出展者さんがどんなふうにブースを作ってるか、どんな話し方をしてるか、見ておくだけですごく参考になる。

出展が決まったら、SNSの回も。

「告知は一回じゃ届かない」の回だね。出展者さん向けに、告知のタイミングや回数を具体的に話してる。

去年の蒸奇博のことを話した回もあるよ。

うん、去年の雰囲気を知りたい人はそっちもどうぞ。
来年の出展を考えている人には、イベントに行くところから実際に出展するまでを三回に分けて話した「イベントに出店してみよう」と、出展者向けのSNS告知の回が参考になる。
鞄に詰める記事|来年の出展準備
来年は出す側に回りたい人へ。行くところから、作る、出る、告知するまで。
▶ 出展への第一歩:イベントに出店してみよう1:まずはイベントへ行ってみるところから
▶ 作品づくり:イベントに出店してみよう2:作ってみる
▶ 当日の出展:イベントに出店してみよう3:実際に出てみる
▶ 告知のしかた:告知は一回じゃ届かない、イベント出展者が知っておくべきSNSの基本
▶ 去年の蒸奇博の様子:スチームパンクの祭典、日本蒸奇博覧会(2025年の回)

こうやって並べると、けっこう話してきたね。

一年分の喫茶蒸談が、ちょうど蒸奇博の旅支度になってる感じがするね。

鞄に全部は入らないから、気になるものを一つか二つでいいよね。

うん。全部読んでから来る必要は全然ない。むしろ、会場で何かに出会ってから、帰りの電車で読み返すくらいがちょうどいいと思う。

来年もこの時期に、また一年分を振り返ろう。

そうしよう。そのころには、また新しい荷物が増えてるはずだから。10月31日と11月1日、目黒で待ってます。
よくある質問
Q. 日本蒸奇博覧会2026はいつ、どこで開催されますか?
A.2026年10月31日(土)11:00〜20:00と、11月1日(日)11:00〜19:00に、東京・目黒のSTUDIO EASE(東京都品川区西五反田3-1-2、JR目黒駅から徒歩約3分)で開催されます。今年のテーマは「旅」です。
Q. 入場料はいくらですか?
A.入場チケットは各日1,500円(税込)です。高校生以下は無料で、再入場もできます。本格的な撮影機材を使う人向けの入場&撮影チケット(4,500円)や、数量限定の特典付入場チケットもあります。当日券は会場受付で販売し、支払いは現金かPayPayのみです。
Q. スチームパンクの服装で行かないといけませんか?
A.いいえ、普段着で参加できます。スチームパンクの雰囲気を取り入れたい場合は、手持ちの服にゴーグルや帽子、革小物などを一点足すだけでも十分です。
Q. どんな催しがありますか?
A.両日15時からのファッションショー、プロのカメラマンが撮影する写真館(事前予約制)、ウイスキー「ザ・ディーコン」の特設バーエリア、DJやライブペイント、マンガのライブドローイング、フードなどが予定されています。お酒は20歳になってから楽しみましょう。
蒸奇博の詳しい情報はこちら
チケット、出展者一覧、写真館の予約、参加ルールは公式ページで確認できます。
※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
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文・構成:ツダイサオ(日本スチームパンク協会 理事)
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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