仮想コーデで考える、コスプレじゃない普段着スチームパンクの始め方「男性編」
- 日本スチームパンク協会

- 1月21日
- 読了時間: 6分
更新日:1月28日

喫茶蒸談へようこそ
今日の蒸談|スチームパンクを普段着にするいくつかの方法
※最初にひとつだけ。今日使っている写真は、生成AIで作った仮想のコーディネートです。実在の人物やブランドの着こなしではありません。その代わり「この人だから似合う」や「このブランドだから良い」ではなく、誰が着ても条件がそろえば普段着でもスチームパンクっぽく見える、その考え方だけを切り出すための素材として使っています。
同じようなことを手持ちの服でそれぞれ試してみるのも、意外と楽しいかもしれません。
今回の蒸談は、ちょっといつもと違ってツダイサオ一人で進めてみます。写真を見ながら、スチームパンクを普段着に落とすときの考え方を、ひとつずつ整理していく回です。
登場する人

ツダイサオ:日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える“解説役”として登場することが多い。
ベストを足した、いちばん分かりやすい例


今回の写真で見てほしいのは、人でも雰囲気でもなく服の重なり方。
色はブラウンや黒を中心に明るさは抑えめ。ここで全体の印象の半分くらいは決まってくる。
一枚一枚はどこにでもありそうな服ばかり。それでも、重ね方次第で見え方は変わってくる
まずはこのコーディネート、ブラウンのパーカーに黒のタートルネック。
パンツはジョガー系でユニクロでも、しまむらでも、ワークマンでも見かけそうなもの。
足元もスエードっぽいスニーカー。
ここまでだと正直スチームパンクとは何の関係もなさそうな感じ。
でも、そこにベストを一枚足して少しレトロ感のあるベレー帽を被るだけで
いきなり「スチームパンクだ!」という感じにはならないけれど、スチームパンクの街にいてもまったくおかしくはない雰囲気になる。
それがイベント用でも、特別な日用でもなく普段の街の中にそのまま立っていても違和感がない、っていうのが大事なところ。
カーゴパンツを主役にした場合


次は、カーゴパンツを主役にしたブラウン系のコーディネート。今回はずっとブラウン系コーディネートな気もするけど(笑)
色はブラウンとグリーンが中心でいわゆる“ビーフアンドブロッコリー”っぽい配色。
これ自体はワーク寄りで、スチームパンクとは特に関係のない組み合わせに見えます。
パンツはグリーン系のカーゴ。ジャケットはコーデュロイ。どちらも毎年どこかのブランドが出しているような、流行りとはあまり関係のない定番品。
そこに生成りのシャツを合わせることで、全体のトーンが少しだけ柔らかくなる。真っ白ではなく生成り、このわずかな差で時代感がほんの少し出てくる。
シャツだけどネクタイは使わず代わりに青いスカーフ。きちんとしすぎずでも首元に布の情報量を足しています。
丸メガネや、ベルトに付けたポーチ、キャスケットも、主張するためというより全体の時代感を揃えるためのもの。
足元はスエードのスニーカー。革靴にしなくても素材を選ぶだけで雰囲気は十分出る。
カーゴパンツのような、現代寄りで機能的なアイテムが中心でも、色と素材、それに少しだけクラシックな要素を足すことで、スチームパンクの街に置いても違和感のない雰囲気になります。
チェスターコートを主役にした場合


次は、チェスターコートを主役にしたコーディネート。
いわゆる定番のチェスターコートで、特別なデザインというわけではなく毎年どこかのブランドが出しているごく普通の形のもの。
その下に着ているのがブラウンのジージャン(素材はデニムじゃなくていいのでジージャンと呼んでます)。ジージャン自体はもちろんスチームパンクのアイテムではないけれど。でも色がブラウンで素材に少しだけ無骨さがある。それだけでコートのクラシックさと自然につながる。 素材はコーデュロイでもツイルでもいい、ナイロンとか化学っぽい雰囲気でなければOK。少しタイトめで そしてコートの下に着る事で少しベストっぽくもある。ジーベストはスギちゃんのイメージがーって人にもそのままジージャンなら抵抗なく着れる。
チェスターコート一枚だとどうしてもちょっときれいすぎる気がする。悪くはないんですが今回の話だと少しだけ現代寄り。
そこにジージャンを一枚挟むことで時代感が少し曖昧になる。
パンツはグレーのパンツ。裾は少しだけロールアップしてブーツを見せるとよりそれっぽい。
ネクタイやメガネ、ブーツも目立たせるためというより全体の雰囲気を揃えるためのもの。一点一点は控えめですが、重なるとちゃんと世界観が見えてくる。 さっきのコーデと同じで首元に青。茶と青は相性がいい
そしてボーラーハットは相当時代感が出る、スチームパンクっぽくしたいときに手軽にそれっぽくなる便利アイテム。
チェスターコートはそれだけで「少し過去に寄った」服。だから中に何を挟むかを考えるだけで、スチームパンクの街にいても違和感のない雰囲気になる。
まとめ

今回紹介したコーディネートに使っているのは、ほとんどが定番品ばかりです。
特別な服を揃えなくても全部をそれっぽくしなくても、どこか一箇所だけ時代を少しずらす要素を足す。
それくらいで普段着としてのスチームパンクは十分楽しめる気がします。
そこに好きな作家さんのブローチを付けてみたり、時計に少しだけこだわってみたりするとさらに楽しくなります。
全体はベーシックなままで、自分の「好き」だけをちょっと足していく。そのくらいの距離感が長く続けやすいのかもしれません。
そのまま真似しなくても大丈夫です。手持ちの服で似た役割のものを当てはめてみるだけでも見え方は意外と変わります。
次回は女性編です。 水曜夜20:00更新予定 お楽しみに
今日のコーディネートで、少しだけスチームパンクが身近に感じられたなら、次はもう少しだけ、世界観の話をしてみましょう。
スチームパンクの装いはワークウェアや無骨なシルエットだけではありません。もう少しやわらかく物語の空気感をまとうような着こなしもあります。ベレー帽やボウタイ、クラシックな靴や小物を使った「普段着スチームパンク・女性編」ではまた少し違った距離感のコーディネートを紹介しています。
スチームパンクの装いというとつい派手な衣装や小道具を思い浮かべがちですが、もともとは、もっと実用的で、働く人の服に近いところから始まっています。街を歩いていて違和感はないけれど、よく見ると少しだけ時代がずれている。そのくらいの感覚が、普段着として楽しむスチームパンクには、ちょうどいいのかもしれません。
もし今日のコーディネートで、その雰囲気が少しでも伝わったなら、次はもう少しだけ、背景にある世界観の話をしてみましょう。歯車や蒸気機関が活躍する、もうひとつの19世紀。スチームパンクという考え方そのものについてまとめたページがあります。

文・構成:ツダイサオ(日本スチームパンク協会 理事)
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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