【第42回】スチームパンクファッションは難しくない。今の基本だけまとめてみた。
- 日本スチームパンク協会
- 2 日前
- 読了時間: 5分
喫茶蒸談へようこそ
― まずは“これだけ”知っておけば大丈夫。 ―
スチームパンクファッションは、思っているほどハードルが高くありません。
ツイード、レザー、金具のあるバッグ……。
日常の服にほんの少し“クラシックさ”を足すだけで、世界観はちゃんとついてきます。
しかも、こうした素材はユニクロや古着屋でもすぐ見つかる時代。
難しく考えず、まずは身近なアイテムから取り入れてみてください。
■この対談に登場するふたり
MaRy（マリィ）：日本スチームパンク協会 代表理事。感覚派で、スチームパンクの“ワクワクするところ”を見つけ出すのが得意。気になったことはどんどん質問するスタイルで、対談の聞き手としても案内役としても活躍中。
ツダイサオ：日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える“解説役”として登場することが多い。
前に話した基本から、もう一歩入りやすくなりました
前に「スチームパンクファッションの基本」について話したじゃない？あれを読んだ人から「もっと実用的に知りたい」「もっと身近な説明ないの？」って声があったの。
あるね。スチームパンクって絵やイメージは強いけど、実際に着てみるとなると“どこから始めれば？”ってなるよね。じゃあ今回は、いまの環境に合った“入りやすい基本”だけ集めよう。
まずは「素材」で世界観をつくるのが簡単
形とか色の話をする前に、素材から選んだ方が楽だよね？
うん、実はこれが一番手っ取り早い。スチームパンクって“昔ながらの素材”と相性が抜群なんだよね。
ツイード
コーデュロイ
厚手のコットン
ウール
レザー
このへん。
意外とユニクロとかGUでも秋冬は普通にあるよね。
あるよ。特に ツイード調のジャケット とか、太うねコーデュロイ とか、探すと普通に置いてる。古着屋ならなおさらで、ツイードのジャケットとか3,000円以下で手に入ることも多い。
それなら始めやすいね。
でしょ。“素材の厚み”や“歴史を感じる手触り”を選べば、形が現代的でもスチームパンク寄りになるんだよ。
色はブラウンとブラックだけじゃない。“オリーブ”が相性抜群
色についてはどれが基本なの？
これが意外と大事で―― 昔はブラウンと黒が定番って言われてたけど、最近は オリーブ（カーキ） がめちゃくちゃ相性いい。
たしかに！ ミリタリーってレザーや真鍮と合うもんね。
そう。ミリタリーって“機能が見える服”だから、スチームパンクと同じ感覚を持ってる。しかも、ブラウンとの組み合わせが完璧なんだよね。「ビーフ＆ブロッコリー」っていう配色。ブラウン（ビーフ）＋カーキ（ブロッコリー）の組み合わせ。
名前かわいい（笑）でもほんとにスチームパンクっぽいね、あの色。
だからオリーブのミリタリージャケットに、ブラウンのレザー小物を合わせる……これだけでめちゃくちゃ雰囲気出る。
“ディテールに物語がある”と一気にスチームパンクになる
スチームパンクってやっぱり“物語感”が強いよね。
そこ大事にしたい。別にコスプレみたいな大げさな物語じゃなくてよくて、この鍵、何に使われてたんだろう」このバッグ、昔の整備士が持ってても違和感ないな」使ったら味が出る素材だ」っていう 想像できる余白 があるかどうか。
うんうん。アンティークショップで見かける“ちょっと気になる小物”みたいな。
そう、それ。スチームパンクは“機械”も“物語の手触り”も強い文化なんだよね。
金具・バックル・ポーチは「つけるだけでOK」の強い味方
『最初何買えばいいですか？』ってよく聞かれるよね。
まずは小物からで十分。おすすめ順はこれ
懐中時計（コスパ最強、メルカリで500円くらいである）
レザーベルト・サスペンダー
レザーのバッグ（ポシェットや小さめのショルダーバッグは古着屋で安く売ってたりする）
ベルトポーチ
どれも“機能が外に出ている”アイテム。スチームパンクとの相性がめちゃくちゃいい。
特にポーチは夏でも使えるのがいいね。
そう。軽装でも“装備感”が出る。
ゴーグルは「なくても成立する」けど、持つと楽しい
で、やっぱりゴーグルはどう扱うべき？
ゴーグルはね、“スチームパンクのアイコン”だけど“必須ではない”っていうのが今のスタンス。
イベントや撮影なら映えるけど、普段はバッグにつけてもかわいいよね。
そう。“世界観のスイッチ”みたいな役割。持ってるとちょっと嬉しい、そんな立ち位置。
まとめ：スチームパンクファッションは「ちょっとだけ足す」で完成する
今日話したの聞いてると、スチームパンクってやっぱり難しくないね。
そう。“全部スチームパンクで固める”必要はゼロ。むしろ今は
素材で寄せる
色で寄せる
金具で寄せる
物語で寄せる
このどれか1つで十分世界観が出る。
しかもユニクロでも古着屋でも揃うってのがいいね。
ほんとそれ。いまは“始める人に優しい時代”なんだと思う。
文・構成：ツダイサオ（日本スチームパンク協会 理事）
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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