スチームパンクを40秒でおさらいしよう
- 日本スチームパンク協会

- 3 日前
- 読了時間: 6分

喫茶蒸談へようこそ
スチームパンクって好き。でも「どこが?」って聞かれるとちょっと言葉に詰まる。歯車? 真鍮? ゴーグル?もちろんそれも正解。だけどそれだけでもない。というわけで今回は年はじめの号外みたいにスチームパンクを40秒でおさらいします。あとは気になったところからめくってください。
■この対談に登場するふたり

MaRy(マリィ):日本スチームパンク協会 代表理事。感覚派で、スチームパンクの“ワクワクするところ”を見つけ出すのが得意。気になったことはどんどん質問するスタイルで、対談の聞き手としても案内役としても活躍中。

ツダイサオ:日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える“解説役”として登場することが多い。
新年なので、スチームパンクを30秒でおさらいしよう


あけましておめでとう! 新年一発目、なに話す?

ここはやっぱりおさらいかな。初めて来た人も、久しぶりの人も肩の力を抜いて入れる回。

いいね。スチームパンクってなんとなく好きだけど説明しろって言われると詰まるやつだよね。

じゃあ最初に40秒で支度しようか。スチームパンクはざっくり言うと「19世紀っぽい技術観で育ったもうひとつの世界」

出た。4秒(笑)短いのに急に世界が広がるやつ。

蒸気機関が象徴ではあるけど本質はそこだけじゃない。歯車や計器、真鍮や革、あの手触りの世界で未来が進んでいく感じだね。

つまり古いのに新しい。新しいのに古い。そういう“ねじれ”が気持ちいい。
みんなが思い浮かべるスチームパンク、だいたい合ってる


じゃあ見た目の話。ゴーグル、トップハット、歯車、真鍮、革……このへんが浮かんでる人多いよね。

うん、それはだいたい合ってる。入口として正しい。

よかった私たち変な説明してなかった。

ただ見た目だけ覚えると「衣装のジャンル」みたいに感じる人もいる。そこで一回つまずきやすい。

わかる。イベント衣装のイメージが強すぎて日常から離れる感じがする。

でも実際は世界の見方のほうが先。たとえば配管が外に出てたり、留め具が多かったり、機械の“しくみが見える”ようなデザインについ目がいく。あれがスチームパンクの視点になっていく。
「蒸気」より大事なのは機械が“語りはじめる”感じ

よくある誤解もうひとつ。スチームパンクって蒸気が出てないとダメ? 名前にスチームって入ってる。

そこひっかかるよね。スチームは“看板”みたいなものでいちばん分かりやすい入口なんだ。(蒸気って、実際は目に見えないんだけどね)だから蒸気が見えなくてもスチームパンクっぽさは成立する。

看板か。中に入ったら別の景色がある感じ?

中身は「19世紀っぽい技術観の世界」とか、「機械が生きて見える感じ」配管や計器、留め具や金具がただの飾りじゃなくて“意味ありげ”に見えてくる。

なるほど。蒸気が出てるかどうかより機械がちゃんと語りかけてくるか。

道具の用途が想像できたり改造の跡が見えたり持ち主の暮らしが透けて見えたりね。機械や装備がその人の履歴書みたいになる。

それ、めっちゃ雑誌っぽい。読み物としての服だ。
普段着で楽しむなら、まずは「素材」と「色」で勝てる

ここ大事。新年だしいちばん現実的な入口も言っておきたい。普段着でやりたい人向け。

おすすめはまず素材。レザー、ツイード、リネン、マットな金属。触ったときに「時代の手触り」があるもの。

あと色ね。茶・黒・真鍮だけじゃないけど、迷ったら落ち着いた色に寄せるだけで急にまとまる。


雑誌っぽい言い方した!
スチームパンクの楽しみ方は、ひとつじゃない

でもさ、楽しみ方って服だけじゃないよね。

もちろん。作品から入るのもいいしモノから入るのもいい。部屋のインテリアでもいいし道具の質感でもいい。

入口が多いの助かる。ひとつハマると連鎖していくんだよね。

たとえば、ゴーグルが気になったらゴーグル回へ。ペストマスクが気になったらその由来の回へ。ピーキーブラインダーズみたいな時代服が刺さったら、そこから大正寄りの着こなしへみたいに。

自分の“好きの取っ手”を見つける感じ。
今年のスチームパンクは、もっと「軽く」ていい


新年だし最後にこれ言っていい? スチームパンク、もっと軽くていい。

同感。重装備じゃなくても世界観は入ってくる。ベルトひとつ、金具ひとつ、色の寄せ方ひとつで日常がちょっとだけ別の時代に寄る。

その“ちょっと寄る”がいいんだよね。いきなり住民票移さなくていい。

うまいこと言うね。今年も入口をたくさん作っていこう。
蒸気の力って、結局なんだったの?

少しだけ補足。蒸気は燃料というより「当時の技術が世界を変える」という感覚の象徴だった。あの時代の人たちにとって機械は“便利”の前に“未来”だったんだよね。

だから私たちも真鍮とか革とか歯車にワクワクするのか。便利さじゃなくて未来の匂い。

そう。新年っぽく言うなら今年も“未来の匂い”を拾っていこう。
もっと知りたくなったら

そういえばさ、これ読んで「ふんわり分かった。でも次何読めばいい?」ってなった人いると思う。

いるね。入口をいくつか用意してあるから、気分で選べるようにしておきたい。

まず、スチームパンクファッションが難しそうに見える人向けに前に「難しくない。今の基本だけまとめてみた」って回出したよね。

あれは“構えないで入る”ためのやつだね。用語や型を覚えるというよりいまの感覚で整える話。

そこからもう少し生活に寄せたい人は普段着の回。
喫茶蒸談「普段着スチームパンクのススメ」

うん。小物や素材で空気を作る話。

で、最後に迷子になりがちな人は色の回。

色が決まると手持ちの服でも急にまとまるからね。

ということで、今年は“気になったところから1本だけ”めくってみてください。雑誌っぽく。

うん。入口をたくさん作って少しずつ広げていけたらいいね。

今年も、そういう回を増やしていこう。

それでは今年も、日本スチームパンク協会をよろしくお願いします。

よろしくお願いします。ゆるっと、でもしっかり楽しく。

文・構成:ツダイサオ(日本スチームパンク協会 理事)
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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