京アニ新作『ユーレカエヴリカ』とは? 2026年7月TV放送&Netflix配信、蒸気だけの京都を描く話題作を予習する【ネタバレなし】
- 日本スチームパンク協会

- 13 分前
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喫茶蒸談へようこそ
2026年7月、京都アニメーションの最新作『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』が放送・配信されます。地上波・BSでのTV放送に加え、Netflixで世界独占配信。舞台は「蒸気機関だけが異常発達した20世紀初頭の京都」
これはもう、スチームパンク好きとして見逃せません。放送前に、作品の基礎とスチームパンクとの繋がりを、ネタバレなしで予習しておきましょう。
■この対談に登場するふたり

MaRy(マリィ): 日本スチームパンク協会 代表理事。感覚派で、スチームパンクの"ワクワクするところ"を見つけ出すのが得意。気になったことはどんどん質問するスタイルで、対談の聞き手としても案内役としても活躍中。

ツダイサオ:日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える"解説役"として登場することが多い。
そもそも、何がそんなに話題なの?

京アニの新作が蒸気の話だって聞いて、もう気になって仕方ないんだけど。『ユーレカエヴリカ』ってどういう作品なの?

正式タイトルは『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』。原作は結城弘さんの小説で、もともと第8回京都アニメーション大賞の奨励賞を取った作品なんだ。2018年に文庫が出て、その時点でアニメ化が発表されていたんだけど、そこから7年越しでやっと動き出した。

7年! それはファン待ってたねえ。

そう。今回は地上波とBSでのTV放送に加えて、Netflixで世界独占配信。2026年7月5日から、TOKYO MX・BS11・ABCテレビ・テレビ愛知で毎週日曜に放送されて、Netflixでも同じ7月5日から毎週日曜に最新話が配信される。内田雄馬さんと雨宮天さんがメインキャストを務めるよ。京アニが「美術背景をあえてキャラクターより前に出した」と言っているくらい、画作りに振り切った作品でね。

背景を主役級にするって、めずらしいよね。

印象派の絵画みたいな美術なんだって。蒸気で煙る街そのものを「見せる」作品にしたかったんだと思う。ここ、あとでスチームパンクの話に繋がるから覚えておいて。
舞台は「電気が来なかった京都」

タイトルに「電氣」って入ってるのに、世界は蒸気なんだよね。どういうこと?

そこがこの作品の一番面白い設定なんだ。物語の舞台は、わたしたちの知ってる歴史とは違う進化をした明治40年ごろの京都。本来なら電気が普及していく時代なのに、この世界では蒸気機関だけが異常に発達して、電気は来なかった。だから街じゅうが煙に包まれている。

あー、なるほど。「あったかもしれない、もう一つの日本」ってことか。

まさに。主人公の坂本喜八は「これからは電氣の時代だ」と信じて、人を幸せにする電気製品を夢見る少年。一方のヒロイン、百川稲子は神仏を深く信じて生きる少女。蒸気だらけの世界で「電気」という見果てぬ夢を追う、という構図なんだ。

信じる対象が真逆の二人なんだね。片や科学、片や信仰。

その二人が「二十世紀電氣目録」という奇書の秘密をめぐって出会う。夢を描いた一冊の書物が物語を動かす鍵になっている。
ここが「スチームパンクど真ん中」な理由

それで、これってスチームパンクとしてはどのへんがツボなの?

いいところに来た。スチームパンクの核に「もう一つの歴史への想像力」っていう考え方があるんだ。技術がもし違う形で進化していたら、世界はどうなっていたか。その「if」を描くのがこのジャンルの背骨でね。

「電気が来なくて蒸気だけが進化した京都」って、まさにそれじゃん。

その通り。しかも単なるノスタルジーじゃなくて、過去の技術を土台に未来を夢見るという構造がある。喜八が蒸気の世界で「電氣」を夢見るって、過去と未来がひとつの画面で出会う瞬間そのものなんだよ。

「過去と未来が交わる」って、まさにスチームパンクを一言で言ったときの言葉だ。

そう。それに京アニが力を入れた「煙る街を見せる美術」も効いてくる。スチームパンクって、本来隠れている仕組みや動力をあえて見せる美学なんだ。街全体が蒸気で動いているのを画面で堂々と見せるなら、それはもう世界観ごとスチームパンクを体現していることになる。

背景を主役にしたって話が、ここで繋がるんだ。

和の要素が入っているのもポイントでね。スチームパンクは西洋ゴシックが出発点だけど、和風やいろんな文化と混ざって広がってきた懐の深いジャンルなんだ。「明治の京都×蒸気」っていう取り合わせは、その和スチームパンクの王道とも言える。
放送前に楽しんでおくなら

7月までまだ時間あるけど、今のうちにできることってある?

原作小説がKAエスマ文庫から出ているから、先に読んでおくのも手だね。あと、PVがすでに公開されているから、あの煙る京都の画作りを一度観ておくと、放送時の没入感が違うと思う。

予習しておくと、放送が何倍も楽しみになるやつだ。

そうそう。「電気が来なかったら」というたった一つのifから、京都の街並みも、人の暮らしも、少年少女の夢も、ぜんぶ別の形に組み変わっている。その想像の広がりを味わう作品になりそうでね。蒸気が好きな人なら、きっと刺さると思う。

7月が待ちきれないね。

まずはPVから。煙の向こうに、もう一つの京都が見えるはずだよ。
よくある質問
Q. 『ユーレカエヴリカ』とはどんなアニメ?
A. 京都アニメーションの最新作『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』です。結城弘さんの小説が原作で、蒸気機関だけが異常発達した20世紀初頭の京都を舞台に、電氣の時代を夢見る少年・坂本喜八と、信心深い少女・百川稲子が、奇書「二十世紀電氣目録」の秘密をめぐって出会う物語です。
Q. いつ配信される?
A. 2026年7月5日より放送開始です。地上波・BSではTOKYO MX・BS11・ABCテレビ・テレビ愛知で毎週日曜に放送され、配信はNetflixにて世界独占で、同じく7月5日から毎週日曜に最新エピソードが届きます。メインキャストは坂本喜八役を内田雄馬さん、百川稲子役を雨宮天さんが務めます。
Q. なぜスチームパンク作品と言えるの?
A. 電気が普及せず蒸気機関だけが発達したという「もう一つの歴史」を描く点が、技術が違う形で進化した世界を想像するスチームパンクの核心と一致するためです。煙る街並みを前面に押し出した美術も、隠れた仕組みをあえて見せるスチームパンクの美学と重なります。
スチームパンクなアニメをもっと知りたい人へ
蒸気が動かすもう一つの世界を描いた作品は、ほかにもいろいろ。名作から最近作まで、夜通し語った回をどうぞ。
「もし歴史が違っていたら」をもっと観たい人へ
じつは去年の夏、Netflixで配信された『リヴァイアサン』も、第一次大戦前夜の歴史を書き換える蒸気と生物兵器の物語。空を泳ぐ“生きた飛行船”の話を、放送までの予習がてら。
スチームパンクそのものが気になった人へ
蒸気機関が発展し続けた“もうひとつの歴史”から生まれた世界観。定義から楽しみ方まで、まずは入口から。
スチームパンクの世界を、日々更新中。
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文・構成:ツダイサオ(日本スチームパンク協会 理事)
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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