ネオヴィクトリアンってどんな服? 不便だけど惹かれるクラシックな服の話
- 日本スチームパンク協会

- 1月14日
- 読了時間: 5分

喫茶蒸談へようこそ
ネオヴィクトリアン。スチームパンクの文脈で耳にすることは多いけれど「結局、どんな服なの?」と聞かれると意外と説明がむずかしい言葉でもあります。バッスルやコルセットのような明らかに日常着としては不便そうな服。それなのにどこか惹かれてしまう人がいる。
今回の喫茶蒸談ではネオヴィクトリアンというファッションがどんな服から始まって、どういう形で今に残っているのかを少しだけ整理してみます。難しい定義や思想の話は後回し。まずは「なるほど、あれか」とイメージできるところから。
■この対談に登場するふたり

MaRy(マリィ):日本スチームパンク協会 代表理事。感覚派で、スチームパンクの“ワクワクするところ”を見つけ出すのが得意。気になったことはどんどん質問するスタイルで、対談の聞き手としても案内役としても活躍中。

ツダイサオ:日本スチームパンク協会 理事。物事を論理的に捉えるタイプで、歴史や文化、技術の観点からスチームパンクを語るのが得意。蒸談ではMaRyの投げかけにじっくり応える“解説役”として登場することが多い。
ネオヴィクトリアンって、どんな服なの?


いきなり核心から聞いちゃうんだけどさ。ネオヴィクトリアンって結局、どんな服なの?

まずそこだよね。言葉だけだとちょっと分かりにくい。

雰囲気は伝わるけど具体的な形が浮かばない人も多そう。

かなりざっくり言うと19世紀のヴィクトリア朝の服装をベースにしたリバイバル系のファッション。

いわゆる昔のヨーロッパのドレスとか?

そうそう。背中がふくらむバッスルのスカートとか体のラインを強調するコルセット、 レースやフリルが多めの装飾。

映画とか絵本で見るやつだ。

あの時代の服装をそのまま再現したり、当時の着こなしとは違う着方をしたり、一部だけ取り入れたりしてる人たちをまとめてネオヴィクトリアンって呼ぶことが多い。
正直、日常着としてはかなり不便


でもさそれって普通に考えると日常着としては不便だよね。

不便だね。動きにくいし、重いし、効率だけ考えたら選ばない服も多い。

ロリータとちょっと似てるかも。

そうだね「楽だから着てる」服じゃない。

それでも着てる人がいる。

そこがポイントだね。
それでも着る理由は、単純に「好き」


なんでそこまでして着るんだろう。

思想というより先に 単純に「これが好き」なんだと思う。

合理的じゃないけど、納得して着てる感じ。

うん。不便なのも分かってるし、日常向きじゃないのも承知の上でそれでも「これがいい」って選んでる。
でも実は、ヴィクトリアンの要素って身近にある


ここまで聞くと ネオヴィクトリアンって結構、特殊な服に見えるけどさ。

実はね、ヴィクトリアンのディティールってもう普通の服の中にも入り込んでる。

え、そうなの?

たとえばブラウスの袖。少しふくらんだ形とか手首に向かって絞られてる感じ。

あ、言われてみれば見たことある。

あれ元を辿るとヴィクトリア朝の服装の影響だったりする。

なるほど……ネオヴィクトリアン専用の服ってわけじゃないんだ。
「クラシック」「エレガント」に翻訳されて残っている

じゃあ、そういう形って

現代だと「クラシック」とか「エレガント」って言葉に翻訳されて残ってる感じ。

完全再現じゃなくて要素だけ生き残ってる。

シルエットだったり、布の柄だったり、装飾のバランスだったり。

気づかないうちに触れてる人も多そう。

多いと思う。ヴィクトリアンってもう身の回りに断片がある、だから意外と好きなものを選んでいたらネオヴィクトリアン感じになったって人も多いと思う
フルで着る人も、崩して着る人もいる

だから、着方も人それぞれなんだね。

当時の服装をかなり忠実に再現する人もいれば 袖の形だけ、素材感だけ、雰囲気だけって人もいる。

全部じゃなくて好きなところだけ拾う。

それが「ネオ」なんだと思う。
ネオヴィクトリアンは、説明しにくい

ここまで聞いて説明しにくい理由が分かった気がする。

決まった制服がないからね。

でも見たら「あ、これはそうだな」って分かる。

理屈より見た瞬間の納得感が強い。

好きで着てるが前に出てる。

そこが一番分かりやすい共通点かもしれない。
気になったところから、少しだけ

こうやって聞いてくるとさネオヴィクトリアンのファッションってやっぱり普通に見てて楽しいよね。

完成されたスタイルとしても魅力的だし、見てるだけでも気分が変わる。

全部着るのはハードル高いけど要素だけなら取り入れられそう。

それでいいと思う。クラシックな雰囲気とかちょっとエレガントな形とか気になったところを少し足すだけでも服の見え方って変わるから。

いつもの服なのになんか今日はいいな、みたいな。

そうそう。ネオヴィクトリアンって構えなくても触れられる部分が意外と多い。

気分転換みたいな感覚で、 試してみてもいいのかもね。

好きだな、って思ったところからで十分。

文・構成:ツダイサオ(日本スチームパンク協会 理事)
スチームパンクにまつわるデザイン、企画、執筆を通じてものづくりと空想の魅力を発信中
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